『星と乙女が占う未来』は占い師が主人公の百合風ビジュアルノベル。
Rosettaブランドでは3作目。『秘密のキスは甘くやさしく』とは少し違った百合テイストな作品となる。心あたたまる読後感のよい作品だ。
本記事では『星と乙女が占う未来』のあらすじやヒロインを紹介した後、Nintendo Switch版のゲーム内容をレビューしていく。
本記事はiMelから商品を提供いただき、作成しています。
概要
ジャンル | ビジュアルノベル |
発売元 | iMel |
開発元 | iMel Rosetta (公式サイト) |
プラットフォーム (ストアリンク) | Nintendo Switch PC(Steam / DLsite /FANZA) |
発売日 | Switch:2022年12月22日 Steam:2023年1月26日 |
プレイ時間 | 3.5時間 |
あらすじ
水城いずみは喫茶店の一角を間借りして占いをしていた。占い師としての名前は「桜花」だ。
ある日から突然大量の予約が入るようになり、いずみは戸惑う。
どうやら同じ名前の占い師がいるらしい。もう一人の桜花とは連絡がつかず、勘違いからの予約も減らないままだった。
頭を悩ませていたある日、喫茶店に真希という女の子が訪ねてきて……。
キャラクター
水城 いずみ (CV.夏目 みつ華)
祖母、母ともに占い師。
占いの予約がない時間帯は喫茶店「はるかぜ」の手伝いをしている。
「はるかぜ」の上にあるマンションで妹・とわと同居している。
水城 とわ (CV.歩 サラ)
フリーカメラマン。
料理が得意で仕事がない日は姉とともに「はるかぜ」を手伝っている。
奈良坂 真希 (CV.秋野 花)
元気いっぱいで常にポジティブ。
いずみを「お姉さま」と呼び、慕っている。
冬馬 莉乃 (CV.蒼乃 むすび)
喫茶店「はるかぜ」のオーナー&マスター。
水城姉妹を暖かく見守っている。
もずくオムライスなど独創的なメニューを生み出してしまう一面も。
レビュー
やさしさが連鎖する世界
「桜花」の名は占い師だった祖母から受け継いだ名前で、いずみも大切にしている名。
それがある日突然ネット上に現れた占い師によって使われ、お客さんの勘違いからトラブルにまで発展してしまった。
しかし、いずみは相手の占い師に対して、ネガティブな感情を持たない。
妹・とわは、もうひとりの桜花は有名な占い師の推薦によって人気が出たと聞き「有名な占い師に推薦されたから注目を集めただけで、実力のほどは分からない」と斜めに見ている。
一方、いずみは「人気が出たのは実力があるからで、有名な占い師にとっても周囲に自慢できる存在なのではないか」とやさしい目で見ている。
公園で出会った女の子を励ますシーンにもいずみのあたたかい人柄が表れている。
そんないずみの姿に周囲に集まる仲間たちもやさしい人ばかりだ。
物語の後半、いずみは新しい悩みを抱えるが、周囲の支えによって一歩踏み出せるようになる。
後味ほんわか、心あたたまる作品だった。
ちなみに本作にはRosettaの前作『銭湯カノジョ-恋もお風呂もアツアツで-』から桐咲姉弟がゲスト出演している。桐咲潤はいずみの学生時代の先輩として、何かと世話を焼いている。
愛の形は恋愛だけじゃない!心の奥底でしっかりとつながる絆
『星と乙女が占う未来』には典型的な恋愛描写はない。キスをしたり、お互いを恋人だと認め合う告白のシーンがないのだ。
物語が始まったと思ったらあっという間に結ばれて……といったような百合ゲーが多くリリースされるなかで、恋愛だけではない愛の形を表現していることに好感を持った。
愛の形は本来自由なものだ。
とわとは姉妹の絆で強く結ばれており、莉乃からは妹のように大切に想う気持ち、真希に対しては後輩を見守るような穏やかな愛情が描かれている。
お互いを思う気持ちは言葉に出さなくともいい。あからさまな行動で示さなくてもいい。どんな愛でもいい。それぞれの心がつながる様子を描いた本作の心意気を筆者は評価したい。
なので各種PCプラットフォームでは大人向けバージョンが出ると聞いて驚いたの!(Steamは公式サイトでのパッチ対応)
システム・オプション設定は快適
数々のノベルゲームを制作してきたiMelから発売されただけあって、プレイは快適。システムに不足はなく、オプション設定も豊富だ。
セーブ・ロード | あり スロット数:120 |
クイック セーブ・ロード | あり |
オートモード | あり |
スキップ | あり |
BGM・音声 ボリューム | あり |
バックログ | あり |
テキストウィンドウの背景には星が配されていたり、右下にタロットカードが表示されるなど本作のイメージを反映される細かなこだわりを感じさせる。
クリアまでのプレイ時間は3.5時間
筆者のプレイ時間は3.5時間(ほぼボイスを聞いてプレイ)。
作中に選択肢はなく、シナリオは一本道だ。CGは10枚収録されている。
総合評価
『星と乙女が占う未来』は日常に訪れる変化を描いた百合風ビジュアルノベルだ。
いずみの主人公としての存在感がやや希薄だが、キャラクターには好感が持てる。彼女のもとに集まる仲間たちもやさしい性格のキャラクターばかり。
作中でいずみのもとに訪れるお客の悩みは日常にありふれたものだが、そっと後押しをしてくれるいずみの言葉には心がほっこりした。
明確な恋愛描写をしなかったのは大きなチャレンジだ。だからこそ描けたさまざまな愛の形や心のつながりはシナリオから伝わってきた。
安直なラブストーリーに食傷しているプレイヤーにすすめたい意欲的な作品だ。
- 心がほっこりするストーリー
- さまざまな愛の形を感じさせる描写
- 主人公のキャラクターが薄い
こんな人におすすめ
- 姉妹百合が好きな人
- ラブストーリーより人間ドラマを重視する人
- 穏やかな展開が好きな人
- (エンドロール後に)男女関係が描かれても平気な人
- My Nintendo Store
- PC(Steam / DLsite /FANZA)
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