『私の離婚ストーリー』は配偶者との離婚を成立させるアドベンチャーゲームだ。
配偶者の不倫に気がついた主人公は離婚訴訟での勝利を目指して不貞の証拠を集める。
生々しい証拠は集めれば集めるほど気分が悪く、その先に迎えるエンディングも後味が悪いものばかりだ。
本作はかなり人を選ぶゲームであり、鬱憤を晴らすのではなく、苦味が積み上がっていくような作品を求めるプレイヤー向けのタイトルだ。
そこで本記事では『私の離婚ストーリー』のゲームシステムを紹介した後、ゲーム内容をレビューしていく。
ジャンル | 離婚活動アドベンチャー |
発売元 | CFK |
開発元 | NONIL STUDIO |
プラットフォーム (ストアリンク) | Nintendo Switch PC(Steam) |
発売日 | Switch:2022年8月12日 Steam:2021年2月19日 |
プレイ時間 | 2時間 |
- どろどろした離婚劇に興味がある人
- 後味が悪い作品が好きな人、いわゆる「胸糞」を好む人
- 5ちゃんねるの家庭板、まとめブログが好きな人
本記事はCFKから商品を提供いただき、作成しています。
『私の離婚ストーリー』ゲームシステム
開始早々、不穏なメッセージが届く。まずは主人公の性別、配偶者の名前を入力し、チュートリアルを行う。
主人公は画面を右に移動しながら、気になるアイテムをクリック(タップ)して不貞の証拠を集めていく。
ゲーム内では平日2日と週末1日、合計3日間で1ヶ月とカウントされ、最大6ヶ月までプレイできる。
これは「離婚の原因を知ったときから6ヶ月を過ぎたら離婚請求できない」という韓国民法の定めに沿った時間制限だ。
6ヶ月で証拠集めってそんな無茶な!
時間との闘いね。
不貞の重要証拠は25個。証拠によっては収集時に配偶者から咎められるケースもある。その場合は2択を数回繰り返す会話パートが発生し、選択肢を間違えると証拠が没収されてしまう。
集めた分だけ慰謝料が上がるため、証拠はできるだけ集めておきたい。
証拠集めばかりでなく、週末はデートに行ったり、アイテムを活用するなどして配偶者からの愛情が尽きないようにコントロールする必要がある(愛情が尽きるとバッドエンドになることが多い)。
不貞の証拠を徹底的に集めるも良し、疑わしきは罰せずで仲良く過ごすも良し、いずれかのエンディングに到達すればクリアとなる。
『私の離婚ストーリー』レビュー
胸糞悪い証拠集め
『私の離婚ストーリー』では集めるものが2種類ある。
- 不貞の証拠
- 陳述書のストーリー
どちらも画面上のアイテムをひたすらクリックしていれば、見つけられるものが多く、収集には苦労しない。
思い出の品や場所をクリックすると陳述書のストーリーが埋まっていく。
これは過去の2人が辿ってきた道のりが明らかにされるもので、新婚旅行で喧嘩したことや金銭感覚の相違など、関係が破綻するに至った理由が明らかになる。
不貞の証拠とは配偶者とその相手が不倫関係にあると明らかにするもので、写真やレストランの利用明細など種類は豊富。
証拠をすべて集めるには、帰宅途中に怪しい人物から録音機やGPS発信機を購入したり、弁護士事務所を訪れて、証拠を取得する方法を教えてもらうのも有効だ。
配偶者はどう考えてもクロ。新たな証拠を得るたびに裏切られた傷が増えていき、プレーヤーは憂鬱な気持ちになる。しかもゲーム後半に向けてより有力な証拠が出てくるため、ダメージが大きい。
週末デートに出かけてもいちいち難癖をつけてくる配偶者にイライラ。プレイする側としても「さっさと離婚してしまえ!」と思ってしまう。
一泡吹かせてスッキリ!となるゲームではないため、地道に証拠を集めて淡々と処理できる、胸糞耐性のある人向けのゲームと言える。
全然スカッとしないわね……
後味の悪いエンディング
本作はマルチエンディングで、計19個のエンディングがある。
筆者が見た4つのエンディングはいずれも後味の悪いものだった(例:疑念を胸にしまったまま老後まで添い遂げるケース、唐突な幕切れを迎えるバッドエンドなど)。
エンディングになると急に小説のようなスタイルになる。主人公の心境がテキストで克明に記され、思いがダイレクトに伝わってきた。このエンディングの作り込みは劇的で、おもしろかった。
ショッキングなものもあるけど、無念さとか、濃い~情念が伝わってくるんよ……。
どうやっても最後はバッドエンドって感じ。
ミニゲームの操作感は一長一短(Switch)
本作は画面上のカーソルを左スティックで動かして、アイテムをクリックする操作を採用している。
プレイ中はほぼ気にならないが、1ヶ所だけ不便を感じた部分があった。
配偶者のパソコンを調べると4桁のパスコード入力するシーンがある。上部に表示されたコードのとおり、数字キーを押していくのだが、カーソルの移動スピードが遅く、制限時間内にボタンを押すのが難しかった。
数字キーの並びはその都度変わるため、キーの場所を覚えるわけにもいかない。
タッチスクリーンには非対応であるため、なんとかカーソル移動を頑張ってキーを押すほか無い。
私は少し工夫して3度目で成功したが、もう少し制限時間が長くてもよかった。
時間内に間に合わなそうだったら”初期化”を押して仕切り直すとクリアしやすいよー!
深夜にスマートフォンを盗み見るシーンでは、コントローラーを動かすと配偶者にバレてしまう。
そのため、制限時間まではじっと我慢して、その後にひっそり証拠をゲットする。
突然はじまるスリリングな体験が平坦なゲームのスパイスとなっていて、良い試みだった。
『私の離婚ストーリー』総合評価
『私の離婚ストーリー』は離婚するために証拠を集めるアドベンチャーゲームだ。
今までの夫婦生活を振り返る陳述書ストーリー、バラまかれた不貞の証拠を数多く集めて離婚を確実なものにしていく。
収集の末に辿り着くエンディングは後味の悪いものが多いが、主人公の心境がストレートに反映されたテキストの苦味が味わい深かった。
一発逆転でスカッとしたいプレイヤーにはおすすめできないが、後味が悪い作品を好むプレイヤーや苦味のあるフレーバーを求めるならプレイ候補に入るだろう。
- 後味が悪いエンディング
- コントローラーを活用したミニゲーム
- 胸糞悪い証拠集め
- カーソル移動速度が遅い
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