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開発はAndre、Johan兄弟が設立したスウェーデンのスタジオ・Venturousが行っている。
主人公たちは手を取り合いながら不思議な世界を歩き、探索する。
言語に頼らずに進行するストーリーは明快な答えを求めるプレイヤーには向かない。しかし、示唆に富んだ物語の背景に考えを巡らせながらプレイするのが好みなら、本作を気に入るだろう。
手書きのビジュアルは飛び抜けて美麗で、調和の取れた音楽が作り出す完璧な世界観が魅力的な作品だった。
そこで本記事では『Voyage』のゲームシステム紹介した後、ゲーム内容をレビューしていく。
ジャンル | シネマティックアドベンチャー |
発売元 | ラタライカゲームス |
開発元 | Venturous |
プラットフォーム (ストアリンク) | Nintendo Switch PlayStation 4 & 5 Xbox Series X|S & One PC(Steam) |
発売日 | Switch:2022年8月12日 PS:2022年8月12日 Xbox:2022年8月12日 Steam:2021年2月19日 |
プレイ時間 | 2時間 |
- アートを好む人
- 考察が好きな人
本記事はラタライカゲームスから商品を提供いただき、作成しています。
『Voyage』ゲームシステム
本作のゲームシステムはシンプルだ。基本的にはステージを左から右に進んでいく。
途中で行き詰まった場合は主人公たちが協力して高い場所に登ったり、ステージ上にあるオブジェクトを操作して道を切り開く。


操作可能なオブジェクトはボタン(Switch版ではXボタン)を押すと光るようになっており、何をすればよいのか分からず詰んでしまうことはない。


『Voyage』レビュー
謎に包まれたストーリー
『Voyage』には言語がない。文字を見るのはタイトル画面とエンドロールぐらいだ。
チュートリアルからストーリーを暗示する短いムービーにいたるまで、プレイヤーはキャラクターの動きや背景に目を配り、音楽に耳を澄ませて、物語を読み取っていく。

言語を必要としないアドベンチャーは数多くリリースされているが、本作は複雑であり、筆者も時々首をひねりながらプレイした。
本作でたびたび登場するカエルを例に出して、その存在から物語を考えてみよう。

おぼろげながら浮かんできたんです、ストーリーが……


序盤ネタバレ考察(+で開く)
筆者はカエル=魂をあらわしていると感じた。序盤に描かれている列をなして無気力に歩くカエルたち。その間には石碑があり、それに手を触れると人魂のようなものが空に浮かび上がっていく。
その様子は主人公たちによる魂の解放であるように思えた。
主人公が行き詰まったところで、集まった魂が助けてくれるのも解放してくれた恩返しのようだ。
上記はあくまで筆者が感じたもので、正解ではない。
明確なストーリーがない中で、暗示されているものがなにか想像したり、あれこれ考えを巡らせながらプレイしたい人に向いている作品だ。



主人公たちがハグできるボタンがあるのがよかったなー


完璧な世界観を形成する美麗なビジュアルと音楽
『Voyage』で一番の魅力はビジュアルと音楽だ。
緻密に書き込まれた手書きのビジュアルは美しく、そのなかをただ歩いているだけでも楽しい。
木漏れ日の表現や清々しい空気が伝わってくる青空の描写など、どのシーンを切り取っても”絵になる“。




主人公たちがステージを進んでいく様子を眺めているキャラクターも舞台と馴染んでおり、美しくも少し奇妙な味わいがあって良い。


音楽も完璧だ。
穏やかな「Memories」から希望を抱かせるような「Ruins」、神秘的な曲「Mural of Hope」など物語の進行とリンクするBGMはどの場面にもマッチしており、本作の世界観作りに大きく寄与している。
水の音や鳥のさえずり、風の音など環境音とBGMのミックス加減が絶妙で完成された音楽表現と言える。



あえて環境音のみになるシーンを作って、静と動を音楽で表現しているのも良かったなー!
パズルの難易度は低め
前述したとおり、『Voyage』の難易度は低め。オブジェクトを発見するボタンを駆使すれば、クリアは容易だ。
本作は本質的に”見るゲーム“に近く、操作に詰まってしまうと物語の流れが悪くなるため、誰でもクリアできる作りなのは良い。
気になった部分としては、作中の数ヶ所で長い距離をずっとオブジェクトを引っ張っていくシーンがある。この時間が本作で唯一ダレる時間だった。


それ以外でストレスを感じるシーンはなく、世界観に浸りながらプレイできた。
プレイ時間は2時間
筆者のプレイ時間は2時間。
演出に魅了され、画面を眺めていた時間も含まれるため、止まらずに進めればもう少し早い時間でクリアできるだろう。



世界観を味わいながらゆっくりプレイするのがおすすめ!
『Voyage』総合評価
『Voyage』は美しい世界を旅するアドベンチャーゲームだ。
主人公たちは協力しながら、世界の秘密を探す。
全編に渡って言語を頼らないストーリーが展開され、プレイヤーは自らの想像力をフル回転させて物語を読み取っていく。
手書きのビジュアルと絶妙にマッチした音楽の完成度は高く、美麗な表現の数々に心が奪われる。
ハッキリとした答えを求めるプレイヤーには向かないが、描き出されるものから自分なりの答えを導き出すのが好きなプレイヤーにおすすめしたいタイトルだ。
- 美しいビジュアルと音楽
- 示唆に富んだ物語
- 数ヶ所で見られる冗長なオブジェクト移動



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このページで使用している『Voyage』のゲームキャプチャ画像は Venturous / ラタライカゲームスの著作物です。転載、配布等は禁止いたします。