クライムゲームの主役はいつだって殺しだ。プレイヤーが操作するのは大抵殺し屋で死体は隠しても事件にまつわる証拠までは隠さない。忘れ去られてしまう。
『Nobodies: Murder Cleaner』は《証拠隠滅》にスポットライトを当てた、クライムアドベンチャーゲームだ。
プレイヤーが送り込まれるのはすでに殺害されたガイシャがいる場所。そしてガイシャもろとも証拠隠滅して、「なかったこと」にするのがミッションだ。
証拠隠滅の方法が謎解きになる作りが一風変わっており、任務後の細かいチェックまで含めておもしろかった。
この記事では5つのポイントを上げながら、 『Nobodies: Murder Cleaner』 をレビューしていく。
ジャンル | 証拠隠滅アドベンチャー |
発売・開発元 | Blyts |
プラットフォーム (ストアリンク) | PC(Steam) |
日本語対応 | ◯ |
発売日 | 2019年9月30日 |
プレイ時間 | 5時間 |
- 主役より脇役が好きな人
- 捜し物が好きな人
「殺しの後」に暗躍する「掃除屋」
『Nobodies』はポイント&クリックのアドベンチャーだ。
プレイヤーは政府の対テロリスト組織に所属する「掃除屋」として、暗殺後の現場に乗り込み、証拠を隠滅して脱出する。
脱出後は上官から任務の評価を受けて、ミッション完了だ。
計13コのミッションをクリアすれば任務完了となる。
奇想天外な死体隠し
『Nobodies』のメインは暗殺現場の死体隠しだ。
ミッション冒頭では上官から任務の概要のみが説明され、死体をどう処理するかは指示されない。
プレイヤーは現場を歩き回り、始末の方法を考える。
なかには意外性のある方法や「嘘だろ……」思うような残忍な方法もあった。
グロいビジュアルはほとんどなかったよー
あれこれとアイテムを物色したり、試しているうちにノーヒントでクリアできた時にはドヤ顔で自慢したくなる。
行き詰まったときはポケベルを見るとヒントが表示されるため、クリアできずに投げてしまうこともない。
ヒントを見るか見ないかはプレイヤー次第であり、自分に合わせた難易度調整ができるとも言える。
姑ばりのチェック項目
『Nobodies』では任務完了後のチェックがやたらと細かい。
血痕が残っているなど素人目に見ても、そりゃーダメだろうと思うことならまだしも、
- ドアが閉まっていない
- 鍵を戻していない
- スイッチを切り忘れた
など、姑なみのチェックが入るのだ。
(指でスッ)えむ子さーーん? ここ、埃が積もってるみたい。
チッ……
最初はなんて面倒なんだ!と思っていたが、考えてみれば主人公は「掃除屋」。
痕跡を全く残さずきれいにしてこそプロと言える。
筆者は後片付けもきっちり行い、満点評価を得ることが快感になっていった。
評価後はすぐステージに戻って、残した証拠だけ片付けることも可能
パズルの難易度はやさしめ
『Nobodies』はステージによって、パズルを解く場面がある。
そこまで難しくはなく、パズルが苦手な筆者でも数回トライすれば先に進むことができた。
ミスをしたときのリトライも早いため、ストレスを感じることはなく、ちょっとしたアクセントになっていて、ちょうどよかった。
雰囲気抜群の手描きイラスト
『Nobodies』の雰囲気は手書きのイラストによって作られている部分が大きい。
配色が美しく、隅々まで見たくなる。
乱雑な室内や薄汚れた建物の外観なども表現されており、雰囲気がよい。
総合評価
総評:非常に良い
4/5
『Nobodies』変わった視点で作られたアドベンチャーだ。
ターゲットを始末するのではなく、始末した後の証拠隠滅部分を題材としており、斬新だ。
死体をどう処理するかを考えるのは楽しく、予想外の方法で対処することになったときには驚きがある。
上官のチェックはかなり細かく、ドアを締め忘れただけでも減点評価されてしまう。証拠隠滅のプロとして完璧が求められるのはリアリティがあった。
『Nobodies』は一風変わった犯罪アドベンチャーゲームを遊びたいプレイヤーにすすめたいタイトルだ。
- 奇想天外な死体隠し
- チェックの細かさが生み出すリアリティ
- 単純なだけにマンネリ感がある
- PC(Steam)
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