サターンのゲームは数多くプレイしている私がドハマリしたソフトの1つが『街 〜運命の交差点〜』
『街』は1998年に発売されたソフトだが、その当時では珍しいサウンドノベルというジャンルのゲームだった。
文章を読み進めることがメインのサウンドノベルは、本が好きな私にピタリのジャンルで、未だに好きなジャンルだ。
今回は私がサウンドノベルにハマるきっかけとなった『街』について書いていく。
『街』との出会い
まだゲームショップが隆盛を誇っていたあの頃、小学生だった私は『街』の体験版を手に入れた。
どんな内容かも分からずにゲームを始めた私は、スタートした直後、一瞬で『街』に引き込まれた。
その当時にしては綺麗な実写を背景に読み進める文章、自分に託される選択肢。
私にはその2つがあれば満足だった。
今考えて見れば、小学生向けではなく大人向けに発売されたゲームなのは間違いない。
しかし、小学生の私の心にぴたりとハマってしまったのだ。
そして私は発売した『街』を購入した。
『街』のシステム
『街』は実写の渋谷をバックに文章を読み進め、選択肢を選んでエンディングを目指すゲーム。
通常は1人の主人公が物語の中心になるところですが『街』では8人の主人公がおり、それぞれが絡む形で物語が進行する。
それ以外にも『街』には、少し特徴的なシステムがある。
TIP
TIPは辞書のような機能で、文章を読み進めているとこんな表示が出てくる。
道玄坂を前に……(文章はイメージ)
ここで「道玄坂」の押すと、道玄坂とは〜というような、その項目に関する補足説明が読める。
私はこの機能が大好きで、出て来るたびに全部読んでいた。
ZAP
ZAPこそ『街』の醍醐味だ。
ある主人公の物語を読んでいる間に、こんな感じの飛べる表示が出てくる。
すれ違った顔に傷のある男は、そのまま歩き去った(文章はイメージ)
ここで「顔に傷のある男」を押すと、別の主人公のシナリオがプレイできる。
その機能を上手く使わないと全くクリアできないので、選択肢を何度も選び直して、ZAPを探し出したり、TIPの中に潜むZAPを探し出すのが最高に楽しかった。
個性豊かな『街』の主人公たち
『街』には8人の主人公が登場する。
- 爆破予告を捜査するオタク刑事・雨宮桂馬
- 役者に間違われたヤクザ・牛尾政美
- ヤクザに間違われた役者・馬部甚太郎
- 悪夢に取り憑かれたライター・市川文靖
- 怪しい組織「七曜会」に強制加入させられる大学生・篠田正志
- できちゃった疑惑に振り回されるイケメン高校生・飛沢陽平
- 恋人のためにダイエットを決意する女性・細井美子
- 戦場での記憶に悩む元兵士・高峰隆士
いずれも個性豊かな主人公たちだ。
私が特に好きなシナリオ
8本のメインシナリオのなかで私が特に好きなのは、この2本だ。
- 爆破予告を捜査するオタク刑事・雨宮桂馬
- 怪しい組織「七曜会」に強制加入させられる大学生・篠田正志
雨宮桂馬「オタク刑事走る!」
金田一耕助が被っているような帽子をかぶり、コーヒー牛乳を片手に持つ、丸メガネの刑事・雨宮桂馬。
思い込んだら一直線なオタク刑事の桂馬の正義感溢れるストーリーながら、桂馬を支える同僚のしおり、大先輩のヌマさん、怪しい男ジェロニモなど、脇を固めるメンバーもキャラが立っていて面白いシナリオだ。
爆発を防ぐために走り回るシナリオの中では、思わず手に汗を握ってしまうところもある。
シナリオの最後で犯人を入力する場面こそ、桂馬シナリオの最高潮だ。
篠田正志「七曜会」
就職も決まり、だらだらとした大学生活を過ごしていた、篠田正志。
ある日、父親の過去をネタにユスラれて「七曜会」に加入するハメになり、それからは七曜会のメンバーとしてユスリをやることになる怪しげなシナリオだ。
冒頭で正志をユスル日曜日の妖艶な魅力だけで、私はやられてしまったが、実際に正志とユスリ行動を共にする水曜日もかわいい。
これだけ読むとただ女性がかわいいだけのシナリオのようだが、コミカルかつ謎を含んでおり、不思議な物が好きな人なら間違いなくハマるシナリオだろう。
『街』の意外な登場人物たち
『街』には多くの芸能人が出演していた。
当時から有名だった方も、『街』に出演して以降有名になった方もおり、そんな人たちを発見するのも面白い。
有名どころは以下の通り。
- 竜雷太
- ダンカン
- 窪塚洋介
- 伊藤さおり(北陽)
- 谷山紀章
- 平松晶子
- 雪月五月
まだ売れていなかった、窪塚洋介や伊藤さおり(北陽)を見られる貴重なゲームでもある。
私にとっての『街』
小学生当時の私はまだ読書好きでもなく、ゲームばかりやっている子どもだった。
そんな子供を夢中にさせた文章が『街』だったのかもしれない。
複数の主人公が、それぞれの人生にも関わっているという世界の縮図のような『街』だったこそ、子どもながらに興味が湧き、クリアまで一気にプレイしたのだと思う。
大人になった今だからこそ、懐かしさを感じならプレイするべきゲーム『街』
コーヒー牛乳を片手に、またプレイしたいなぁ。
現在『街』をプレイするには
PS Storeで購入し、Vitaで楽しむのが一番お手軽な方法だ。
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