【閲覧注意】『絵話-kaiwa-』レビュー|スタイリッシュな異界ホラー【評価・感想】

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『絵話-kaiwa-』レビュー

絵話-kaiwa-』は短編ホラーを複数収録したビジュアルノベルゲームだ。

収録されているのは852話氏制作の”恐い絵”を題材とした絵シリーズ3作品、番外編1作からなる計4作品。これらは以前からフリーゲームとして公開されている。

上記4作品に加えて今後のアップデートでフリーゲーム「幽絵-yuukai-」、有料限定の「絵話-kaiwa-」が追加される予定だ。

今回のレビューにあたり、筆者はSteam版で4作品をプレイした。

不気味だが美しいビジュアル、空間的な音楽はスタイリッシュなホラーという出で立ちで、後味はさらりとしているがおもむき深い作品だった。

この記事では3つのポイントを上げながら、『絵話-kaiwa-』をレビューしていく。

ジャンルホラービジュアルノベル
発売元/開発元852話
プラットフォーム
(ストアリンク)
PC(Steam)
発売日Steam:2022年6月8日
プレイ時間40分
※2022年7月6日時点
こんな人におすすめ
  • グロ耐性がある人(特に集合体)
  • 怖い絵を好む人
  • 恐怖の中にも美意識を求める人

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ストーリーの一部ネタバレあり。
【閲覧注意】ビジュアル、文章ともに嫌悪を催すグロテスクな描写あり。

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ゲームレビュアー

えむ

  • 睡眠時間を削りがちな30代ゲーマー
  • 執筆したレビュー・攻略記事は100本超
  • プレイヤー目線から一歩踏み込んだレビューがモットー

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あらすじ

「恐絵 -kyoukai-」

『絵話-kaiwa-』レビュー「恐絵」
「恐絵 -kyoukai-」

「恐絵」と書かれた個展に入ると気持ちの悪い絵が並んでいた。
絵に魅入られていると突然背後から声をかけられる。
「どの絵か、気に入っていただけましたか?」

「異絵 -ikai-」

『絵話-kaiwa-』レビュー「異絵」
「異絵 -ikai-」

代わり映えしない帰宅路に見覚えのない階段を見つけ、降りてみる。
何もない空間を進んでいくと、写真とも絵と言えない森が印刷された板がかけられていた。
主人公は思わず絵に触れてしまい……。

「生帰-syouki-」

『絵話-kaiwa-』レビュー「生帰」
「生帰-syouki-」

23時近く、道端に佇む人形を抱えた少女。
のっぺりとした仮面のような顔でこちらを振り返る。
気づかれてはいけない。あれは化け物なのだ。

「幸絵 -koukai-」

『絵話-kaiwa-』レビュー「幸絵」
「幸絵 -koukai-」

終電帰りで暗い公園を通るとベンチで絵を片付けている人に出会う。
「幸せになりたいですか?」「なれるなら」と答えると”幸せになれる絵”を譲り受ける。
絵を部屋に飾ると主人公の周囲にある変化が訪れる。

さらりとした筆致が生み出す恐怖

『絵話-kaiwa-』は読み心地が良い

無機質な文体がするすると読ませ、いつの間にか”境界”を越えて奇妙な世界に迷いこんでしまう。そしてふと気がついたときには怪異が自分の顔の真近まで迫っているような、そんな感覚を受けた。

『絵話-kaiwa-』レビュー08
「生帰-syouki-」より
『絵話-kaiwa-』レビュー05
「生帰-syouki-」より

じっとりした怨念話ではなく、さらりとした後味とキレが特徴だ。

えむ

ビールで言うと、スーパードライみたいな感じ。

ここで怖がらせてやろうなんていう、大仰な仕掛けがなく、淡々と進んでいくのが良い。

『絵話-kaiwa-』レビュー06

助走は短く、どーんと怪異を見せ、あっけなく終わることでプレイヤーは突き放されたように感じる。そこには理由もなければ、因縁もない。言ってみれば「意味がない」ことこそが怖い。

謎は謎のまま残され、種明かしされることもなく、ずっと怪異として存在する。恐怖の余韻がじんわり残る

収録作は掌編~短編で、すべての選択肢を見てもプレイ時間は40分程度だった。4作品はいずれも面白かったが、番外編の「生帰-syouki-」だけは少し毛色が違って浮いている感があった。

今後アップデートで作品が追加されるのも、また、楽しみだ。

嫌悪感を抱きながらもなぜが見入ってしまう”絵”

「生帰-syouki-」を除く絵シリーズはその名をとおり絵がストーリーに大きく関わってくる。

シリーズはうっすらと世界観を共有しており、「恐絵 -kyoukai-」で個展に飾られていた絵が「幸絵 -koukai-」でも画家の持っている絵の一部として使われる。

作中で登場する絵はコラージュされたもので、独特な存在感がある。嫌悪を催すグロテスクなものが多く、なかでも集合体が苦手な人にはキツイ

妖怪・百々目鬼どどめきのように身体に多くの目を持つ者、蓮コラのように身体に複数の穴が空いた者など見たら思わずトリハダが立つような絵ばかりだ。

えむ

伊藤潤二の『寒気』っぽさもある。

えむ

このレビューでは集合体っぽい絵は少なめに紹介。もっと見たい方はSteamページからどうぞ。

気味の悪い絵だが、醜悪さのなかにも美を感じさせる。見ていると吸い込まれるような力がある。

文体同様に、ビジュアルもクールでスタイリッシュ。ビジュアルの魅力が大きい。

『絵話-kaiwa-』レビュー11
「恐絵 -kyoukai-」

ゲームとしてだけでなく、絵単体でも魅力で、ストーリーに洗練された美を与えている。

アンビエントな音楽が異空間を作り出す

作中で流れる音楽はアンビエントなものが多く、それ単体でインパクトのあるものではない。

テキストやビジュアルと組み合わさって、効力が最大限に発揮される。

「恐絵 -kyoukai-」「異絵 -ikai-」単音の響きを活かして奥行きを感じさせ、ガランとした空間をイメージさせている。

曲中に入れ込まれたSEが雰囲気を作り出している曲もあった。

「異絵 -ikai-」に使用される曲は前半が風鈴のような音、後半はチリチリとしたノイズ音が入っている。

どちらも規則的だがどこか不安にかられるような使い方がされており、不穏な空気を生み出している。

本作の音楽はいずれも恐怖を増幅させる効果を担っており、文章・絵・音楽がそれぞれの恐怖感を引き立たせている。

総合評価

えむ

総評:非常に良い

4.5/5

『絵話-kaiwa-』は異形・異界をテーマとしたホラービジュアルノベルだ。

さらりとした筆致によって、するすると読み進めていくうちにプレイヤーを異界へと誘う。

不気味な絵に嫌悪感はあるが、そのスタイリッシュさには美しさも感じる。

空間を生かした音楽によって世界観が完成し、3つが合わさって恐怖の世界を確立した。

ビジュアルが苦手でなければ、ホラー好きにはぜひプレイしてほしいゲームだ。

グッドポイント
  • さらりとした筆致
  • 不気味だが美しいビジュアル
  • 空間的な音楽
ウィークポイント
  • 「生帰-syouki-」の異物感

レビュー時のプレイ機種:PC(Steam) / Ver.1.1

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えむ

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このページで使用している『絵話-kaiwa-』のゲームキャプチャ画像は852話の著作物です。転載、配布等は禁止いたします。

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