『Dordogne(ドルドーニュ)』レビュー|水彩で描かれる少女と祖母の忘れられない日々【評価・感想】(PR)

記事ではサイトの運営維持のため広告リンクを利用する場合があります。
『Dordogne(ドルドーニュ)』評価・レビュー

Dordogne(ドルドーニュ)』は南仏を舞台にしたノスタルジックなアドベンチャーゲームだ。

主人公は祖母が亡くなったのをきっかけに20年ぶりに祖母の家を訪れる。現在と過去を行き来しながら、祖母との思い出や幼少期の記憶を呼び起こす物語。美しく暖かい水彩に彩られたフランス・ドルドーニュで過ごす夏は忘れられないものになった。

この記事では『Dordogne』のレビューをお届けする。

【読み飛ばしはこちら】
>>今すぐ総合評価を読む

本記事はFocus Entertainmentから商品を提供いただき、作成しています。

この先、一部ネタバレあり。

目次(読みたいところをタップ)
運営者情報
えむアイコンC

ゲームレビュアー

えむ

  • 睡眠時間を削りがちな30代ゲーマー
  • 執筆したレビュー・攻略記事は100本超
  • プレイヤー目線から一歩踏み込んだレビューがモットー

Twitter / 詳しいプロフィール

レビュー

祖母と過ごす、ひと夏の冒険

2002年、フランス。主人公・ミミは亡くなった祖母・ノーラが残した手紙を読み、ドルドーニュにある祖母の家を訪れる。

父と祖母は折り合いが悪く、ミミが祖母と最後に会ったのはもう20年も前のこと。ミミは祖母の家に残るさまざまな思い出に触れ、自らの失われた記憶を紐解いていく。

『Dordogne(ドルドーニュ)』評価・レビュー|01
『Dordogne(ドルドーニュ)』評価・レビュー|02

本作はシンプルなポイント&クリックアドベンチャーだ。

プレイヤーは現在(2002年)のミミを操作して祖母の家を探索する。思い出の品を見つけると幼少期(1982年)にタイムスリップ。幼いミミとして祖母との時間を過ごしながら、思い出のかけらを拾い集めていく。

現在と過去を何度も行き来しながら、記憶を取り戻し、やがて祖母が残した”思い出の箱”にたどり着く。

『Dordogne(ドルドーニュ)』評価・レビュー|03

幼少期のミミは最初こそ居心地が悪そうにしていたが、徐々に祖母と打ち解け、ドルドーニュでの日々を楽しめるようになっていく。写真を撮ったり、植物を植えたり、料理したり、日常の些細な出来事を体験することで、プレイヤーは自分とミミを重ね合わせ、ひと夏の冒険を味わう。

『Dordogne(ドルドーニュ)』評価・レビュー|04
『Dordogne(ドルドーニュ)』評価・レビュー|05

プレイしていて印象的だったのは、ミミが何かに触れたときに出るテキストの深度が増していくことだ。

リビングにあるテレビを調べると序盤は「おばあちゃんはテレビに興味がなかった」「DVDプレイヤーはつなげるか」など無機質な言葉が綴られる。それがチャプターを重ねるうちに徐々に祖母の記憶と結びついていき、終盤には「おばあちゃんの好きな映画は~」とタイトルが出てくるようになる。

テキストが徐々にくわしく、愛のあるものへと変化していく過程から、幼いミミが祖母と心を通い合わせた道のりが見えるようで心が温かくなった。

『Dordogne(ドルドーニュ)』評価・レビュー|06

一方でミミの父と祖母が不仲になった理由や幼いミミの友達・ルノーと祖父の関係はメインストーリーでは十分に語られない。背景を知るには家のなかにある手紙を読む+想像で補う部分もあり、モヤっとしたところもあった。

『Dordogne(ドルドーニュ)』評価・レビュー|07

水彩画の美麗なビジュアルと思い出を綴るバインダー

幼いミミが過ごすドルドーニュは青々と息づく森や澄んだ川、色彩豊かな市場の景色が生き生きと描かれ、見ているだけでも癒やされた

『Dordogne(ドルドーニュ)』評価・レビュー|08
『Dordogne(ドルドーニュ)』評価・レビュー|09

色あざやかな過去のパートに対して現在のパートではくすんだ色合いになっており、現在と過去を色によって対比させているのが印象的だった。

『Dordogne(ドルドーニュ)』評価・レビュー|10
現在
『Dordogne(ドルドーニュ)』評価・レビュー|11
過去

チャプターの終わりには祖母からもらったバインダーに今日の出来事を書き込む。

バインダーには探索中に拾ったステッカーや集めた言葉から作る詩、撮った写真、テープレコーダーで録音した音などが貼り付けられる。ステッカーと言葉は収集アイテム的な扱いで、言葉は祖母や友人との会話の選択肢にもなっているため、すべて集めるためには周回プレイが必要だ。

『Dordogne(ドルドーニュ)』評価・レビュー|12
バインダー
『Dordogne(ドルドーニュ)』評価・レビュー|13
会話中の選択肢は画面に浮かんだワードから選ぶ
えむ

イケてるポエムは生まれなかったよ……。

クロジョ

あなたのセンスの問題でしょ!

もっと味わいたかったドルドーニュの町

美しいドルドーニュの町を自由に散策できなかったのは少し残念だ。

チャプターごとに必要な場所にしか行けないため、市場へ向かう途中の森の雰囲気を味わえるのは一度きり。収集アイテムであるステッカーなどを取り逃したまま次のチャプターに進んでしまった場合、取得するにはまたチャプターの頭からプレイする必要がある。

2023年8月1日のアップデートでチャプター選択が追加されました(Steam版)

フリーモードのようなものがあれば、もっとドルドーニュの雰囲気を味わえただろうし、ついでに取り逃したアイテムが回収できるようになっていればなお良かった。

『Dordogne(ドルドーニュ)』評価・レビュー|14

本作には日本語吹き替えがあり、そのクオリティは充分だ。一方で字幕などのテキストは一部気になるテキストはあったが、プレイに支障が出るものではなかった。

えむ

詩的なものは訳されていても雰囲気と合うかどうか難しいよね。

『Dordogne(ドルドーニュ)』評価・レビュー|15
トイレから出たときに「良くなった!」は謎だった

総合評価

『Dordogne』はハートウォーミングなアドベンチャーだ。

フランス南部のドルドーニュを舞台に幼少期の主人公と祖母や新しい友だちとの交流が生き生きと描かれていた。

水彩画の鮮やかな色合いがハツラツとした日々を印象付ける過去パートとくすんだ色合いの現在パートの対比によって、主人公の人生を輝かせるものは何かを明確に示していたのが印象的だった。

行動が制限されていることもあってドルドーニュの空気感を充分に味わえたとは言えないが、ノスタルジックな物語に思いを馳せたいプレイヤーにはおすすめしたいタイトルだ。

グッドポイント
  • 心が温かくなるストーリー
  • 美しいドルドーニュの雰囲気
ウィークポイント
  • 物足りないドルドーニュの散策体験
おすすめタグ

カジュアル ナラティブ

『Dordogne』

  • 対応機種:Nintendo Switch、PlayStation 4 & 5、Xbox One & Series X|S、PC
  • 発売日:2023年6月14日
  • 発売元:Focus Entertainment
  • 開発元:UN JE NE SAIS QUOI、UMANIMATION
  • ジャンル:ノスタルジックアドベンチャー
  • 筆者プレイ時間:3.5時間
  • レビュー時のプレイ機種:PC (ver1.12.35)

※2023年7月31日時点

えむ

X(旧Twitter)では、このサイトの更新情報や最新のアドベンチャーゲーム紹介、お得なセール情報などを発信しています。ぜひフォローしてください!
▶えむのX(旧Twitter)をフォローする

このページで使用している『Dordogne』のゲームキャプチャ画像は UN JE NE SAIS QUOI / UMANIMATION / Focus Entertainment の著作物です。転載、配布等は禁止いたします。

『Dordogne(ドルドーニュ)』評価・レビュー

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次(読みたいところをタップ)