ヤンデレと言う言葉を知っているだろうか。
「病み」と「デレ」を組み合わせた言葉で、恋心が募った末に病んでしまう状態を指すものだ。
ギャルゲーのヒロインの中には主人公に強く当たる「ツンデレ」が大体1人ぐらいいるものだ。
しかし、主人公に病的なほど執着する「ヤンデレ」は貴重である。
『私だけいれば問題ないよね』はヤンデレに特化したギャルゲーだ。
元々スマートフォン向けのゲームアプリとしてリリースしたタイトルを、Switch向けに最適化している。
登場するヒロインの多くは闇(病み要素)を抱えており、過去にリリースされた幾多のギャルゲーに存在していたヤンデレを大集合したようなゲーム内容だ。
この記事ではSwitch版『私だけいれば問題ないよね』のレビューをお届けする。
ジャンル | 恋愛アドベンチャー |
メーカー | SEEC |
プラットフォーム | Nintendo Switch iOS Android |
発売日 | Switch:2020年6月18日 |
プレイ時間 | 3.5時間 |
- ヤンデレが好きな人
攻略ヒロインは6人
花森かすみ
主人公の幼なじみ。
たまたま再会してから連絡を取り合っている。
街でやたらに遭遇するのには秘密がある。
芹沢みさき
大学の先輩で同じゼミに所属する。
姉御肌で、主人公を雑に扱うことも多く恋愛感情があるようには見えない。
ひとりで広い家に住んでいる。
橘いつき
同じ大学の友達。
お互いに異性として意識せず、さっぱりとした付き合いだ。
主人公に恋愛相談をしてくる、その相手とは……。
藤咲まゆ
おなじ高校の後輩で、高校3年生。
ツンデレ系。いつも主人公をからかうような態度を取る。
主人公と同じ大学への進学をめざす。
小金井もか
大企業の社長令嬢。
酔っぱらいに絡まれていたところを助けたのが縁で、知り合った。
ほんわかした性格。
佐々木リリアン
バイト先の同僚。明らかに◯ーソン店員。
飄々とした性格で、表情豊か。
いつもサボってスマホゲームをやっている。
ヒロインたちとメッセージアプリで会話
『私だけいれば問題ないよね』は某メッセージアプリに似た《LIME》を使って、ヒロインと会話し進めていくシステムだ。
《LIME》のチャット→イベントを交互に3回繰り返すと、エンディングとなる。
共通ルートから各ヒロインルートへ分岐していく従来のギャルゲーとは違い、スタート時に攻略するヒロインを選べる。
チャットやイベントでの会話で好感度を上げていくことが目標で、難易度は低めだ。
好感度は常に右上に表示されるので、いつでも確認できる。
エンディングで好感度80%を超えていればトゥルーエンドが見られる仕組みだ。
もし難しく感じたら、設定画面で「ヒント」をオンにすると好感度アップのヒントを得ることができる。
3回目のイベントの最後に《ターニングポイント》となる選択肢が表示され、これによってエンディングが2種類に分かれる。
どちらを選んだらどうなるかが分かるので、プレイヤーが意図したエンディングとなるはずだ。
短時間でクリアできるライトなゲーム
『私だけいれば問題ないよね』の各ヒロインルートは30分ほどでクリアできる。
クリア後にもう一つのエンディングを回収する際は、スキップ機能を使えば15分程度で終わる。
ヒロイン1人につきかかる時間は45分ほど。総プレイ時間は4時間程度だ。
少し物足りない気もするが、金額を考慮すれば妥当と言えるだろう。
元々はスマホゲームで空き時間にプレイすることを前提としているため、ふと思い立った時に進められる。
反面、腰を据えてじっくりプレイするようなゲームではない。
急なエンディング……ヤンデレは結果より過程が大事
私が不満だったのは、ストーリーの短さゆえ、ヒロインが病んでいくスピードが早すぎる点だ。
大して会話もしていないうちに病み落ちしてすぐにエンディングとなるので、ヤンデレ特有の徐々に狂っていく過程がないのだ。
ヒロインに感情移入するヒマもなく、エンディングとなる。
ストーリーが長ければ、ヒロインの不穏な行動を小出しにして、主人公目線でも病みをちらつかせることができる。
ボイスも未収録のため、そうした小ネタを省くのなら、もう少しヒロイン視点での病みエピソードを多く挿入してほしかった。
例えば、花森かすみルートではイベント後に「ヒロインの本音」を入れて一瞬の病みを見せている。しかし、あまりにボリュームが少なく、過程を感じさせるには不十分だ。
総合評価(Switch版)
総評:まずまず
2/5
『私だけいれば問題ないよね』はヤンデレヒロインばかりを集めたギャルゲーだ。
ヒロインはそれぞれ30~40分程度で攻略可能であり、空き時間に気軽にプレイできる。
結果として、ヒロインが病んでいく過程の描写は少々物足りない。
CGの少なさや、ボイス未収録であることも不満に感じるポイントだ。
「ヤンデレ特化」の新奇性は評価するものの、積極的におすすめはしない。
少しだけヤンデレを味わってみたいという人に向いている。
- ヤンデレのバリエーションが豊富
- 気軽にプレイできる
- ヒロイン描写が物足りない
- CGが少ない
スマートフォン版はプレイして自分にあうか確かめてから、Switch版を購入することも可能だ。
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