『LOVE ETERNAL』(ラブエターナル)は、家族から引き離された少女が謎の城から脱出するアクションと不気味な味わいのあるアドベンチャーを組み合わせたホラーゲームだ。
シビアな操作が要求される死にゲーアクションは何度も諦めようかと思うほど難しいが、またトライしたくなる不思議な中毒性がある。ゲーム後半はレトロなアドベンチャーに姿を変える。目の前にいるのが本当に「家族」なのか、この世界は正しいものなのか。現実と虚構の境目がぼやけていくような感覚に襲われる。
この記事では『LOVE ETERNAL』のレビューをお届けする。
本記事はPLAYISMの提供で作成しています。
奇妙な夕食からはじまる不穏なストーリー
主人公のマヤは家族と夕食を食べるためにダイニングにやってきた。席に着いた途端に廊下にある電話が鳴り、受話器を取るも無音だった。不思議に思いつつも、マヤがダイニングに戻るとそこに家族の姿はなかった。

会話は画面下に表示される。テキスト横には話しているキャラクターも表示されるのだが、マヤ以外は顔が分からないようになっている。黒に囲まれた圧迫感のある画面全体のデザインと相まって、序盤から嫌な気配を感じさせる。

家を出るとアクションパートがはじまる。これまで手狭に描かれていた室内とは一変したステージが広がっている。マヤは走ったり、ジャンプしたりといった定番の動きに加えて重力を反転させる操作もできる。それらを駆使してトゲやレーザーなどを回避しながら、数多くのステージを進んで行く。

何度死んでも諦めきれない中毒性の高い高難易度アクション
序盤のアクションはかんたんだ。トゲのある床をジャンプで飛び越えたり、動く床に飛び乗って移動したりとよくあるアクションゲームと同じ感覚で遊べる。そこに重力を反転させる操作が加わり、床と天井を行き来しながらステージを小気味よく進んでいく。反転を駆使してトゲを回避できたときには爽快感もある。

ステージを進んでいくと空中に赤い石が現れる。重力の反転はマヤの足が地面につくまで1回しか使えないが、赤い石に触れると反転できる回数が1つ増える仕組みだ。赤い石はトゲに挟まれた場所に配置されることが多く、ギリギリの操作が求められる。方向キーを押すタイミングと長さをシビアにコントロールしないと即死してしまう。

精密プラットフォームと呼ばれる繊細な操作が求められるアクションゲームを日ごろプレイしていない筆者は大苦戦して、ひたすら死に続けた。セーブポイントは細かく設定されているが、そこにたどり着くまでのわずかな部分ですら難しいのだ。終盤になるにつれて難易度はさらに上がるため、もうステージの中間地点ですらセーブポイントを置いてほしいほどだ。


同じステージで何度も失敗して「もう無理だ……」とゲームをやめた回数は数え切れない。それでも少し時間が経つとまたプレイしたくなる。それはステージの難易度設定が絶妙だからだ。プレイしているうちに自分の成長を感じるのだ。
10回に1回できることが、8回に1回ぐらいになるような地味な変化だが、こうすればできるかもしれないと思いつくと試してみたくなる。そうして繰り返しプレイしてようやく難所をクリアできたときの快感は忘れがたく、その感覚をもう一度味わうために何度もトライ&エラーを繰り返してしまう。本作にはそんな中毒性があるのだ。
難所をクリアしたときは思わず叫んだし、セーブを連打した(重要)。



ギャーギャーうるさかったわね。
なにが「ホンモノ」なのか分からなくなる不気味な考察ゲーム【ここからネタバレ注意】
本作の後半からはアドベンチャーゲームに変化する。ファミコン時代を思わせる懐かしい画面配置で、「見る」「話す」といったコマンドを選択しながら物語を進めていく。


自室にいたマヤが夕食のためにダイニングへ向かうと、テーブルには犬用の餌入れに載せられた魚が置かれている。母に話しかけると「兄」のことを語り出す。そもそもこの家にいたのは「姉」だったはずなのだが……。




翌朝、母の運転で学校に向かう途中、壁に向かってブツブツつぶやいている子どもを見つける。学校に着くとその子はクラスメイトになる転校生のレイシーだったと知る。威厳のある古めかしい言葉遣いはとても子どものそれとは思えない。




不可解な出来事が積み重なり、不気味さが増していく。マヤはこの世界の異変に気づいており、声を上げようとするが、味方になってくれる者はいない。唯一手を差し伸べようとしてくれた父も高圧的な母にあっけなく取り込まれてしまった。マヤが徐々に孤立していく姿を描くストーリーはホラーだ。それは繰り返し差し込まれる不気味な演出からも明らかだ。




本作の恐怖の中心にあるのは、身近な人たちが本人ではなくなっているような感覚だ。それはジャック・フィニィの『盗まれた街』を思わせる。しまいにはもはや語り手であるマヤの言葉さえ、信頼できるものではなくなる。




終盤に向けてメタ的な展開もあり、物語は複雑さを増していく。序盤の展開から物語を順番に反芻しながら、シーンのつながりを読み解く楽しみのある本作は考察ゲーと言える。エンディングの解釈をめぐって誰かと語り合いたくなる、不気味な余韻のあるゲームだ。
総合評価
『LOVE ETERNAL』は、重力の反転を駆使した高難易度のアクションと不気味な余韻を残す物語が上手く噛み合ったゲームだ。
難しさに何度も心を折られながらも、諦めきれずにトライしてしまうアクションは中毒性が高い。物語はわかりやすいものではなく考察が求められるため、人を選ぶが、奇妙な味わいがあるゲームが好きな人にはプレイしてみてほしい作品だ。
- トライ&エラーで操作が上手くなる難易度調整
- 不気味な演出
- 考察しがいのあるストーリー
- 終盤のセーブポイントの少なさ
『LOVE ETERNAL(ラブエターナル)』
- 対応機種:Nintendo Switch、PlayStation5、PlayStation4、Xbox One、PC
- 発売日:2026年7月16日(Switch、PS4/5、Xbox One)2026年2月19日(Steam)
- 開発元:brlka
- 発売元:Ysbryd Games、PLAYISM
- ジャンル:ナラティブホラープラットフォーマー
- 筆者プレイ時間:6時間30分(エンディング到達まで)
- レビュー時のプレイ機種:Nintendo Switch
※2026年8月14日時点
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