アイドルファンが推しの恋愛報道に触れたら、怒りや悲しみで心がかき乱されるものだ。
でも、もしアイドルと付き合うのが自分だったとしたら……?
『愛怒流でいず』(アイドルデイズ)はぶっきらぼうなヤンキー娘とマネージャーである主人公が夢を共有し、心をつないでいくストーリーである。プレイ時間も短いため、気軽にプレイできる。
この記事では、4つのポイントを上げながら、『愛怒流でいず』をレビューしていく。
ジャンル | 恋愛アドベンチャー |
発売元 | qureate |
開発元 | qureate iMel |
プラットフォーム (ストアリンク) | Nintendo Switch PC (Steam) |
発売日 | Switch:2021年6月17日 Steam:2021年8月6日 |
プレイ時間 | 1.5時間 (CGフルコンプまで) |
ストーリー(あらすじ)
主人公は、地下アイドルの事務所で下働きをする新人プロデューサー。
なかなか有望な人材をスカウトできず、悩んでいた。
ある日、主人公は休憩に立ち寄った公園で透き通るような歌声を持つ少女に出会う。

すぐに声をかけたが、少女は興味を示さなかった。
翌日、出社すると先輩から新人教育を任される。スポンサーの娘だという。
嫌な仕事を押し付けられたと思っていると、現れたのは昨日公園で出会った少女・椿だった。
ヒロイン:じゃじゃ馬「茜咲 椿」

男相手にケンカしても腕力で負けないヤンキー娘。
少年漫画の主人公のような正義感を持つ。
アイドルの恋愛はありか、なしか
『愛怒流でいず』はプレイヤーがアイドルの恋愛沙汰を受け入れられるかどうかで、評価が大きく変わる。
アイドルに擬似的な恋愛感情を持つファンは多い。中にはガチで恋してのめり込んでしまう人も……。
「浮気OK」というポリシーでない限り、交際相手には清廉性を求めるものだ。
そういったガチ恋ファンからすれば、本作は全く受け入れられないだろう。


中野サンプラザで行われるハロプロライブっぽいセットだな
主人公と椿は当初恋愛感情がないものの、デビュー前から早々に同居を開始する。
プロデューサーとアイドルの関係で同居するのは倫理的におかしいだろう。
アパートを追い出された椿を一時的に居候させるのは百歩譲って許したとして、そのままズルズルと同居を続けるのはあり得ない。



私は恋愛禁止には反対。アイドルだって一人の人間として、年相応の恋愛経験、社会経験を積んでいかないと、大人になれないと思う。
出会った当初の椿は正義感こそあるものの、なにかと拳で解決を図ろうとする粗暴な態度が気になる。
筆者はあくまでフィクションとして許容したが、現実にいたらドン引きだ。


一方で、椿の真っ直ぐさや努力を怠らない姿はかっこよくもある。
椿がトップアイドルという夢をプロデューサーと共有し、生き生きと活動する描写は熱く、好感が持てた。


主人公との関係は恋人というより、同じ夢を持つ仲間といった描写が大半でイチャイチャするシーンもほぼなく、そこにイヤラシさはない。



主人公がやたらと人気マンガのセリフを引用してくるのが安直で一番イヤだったな……
CGは腹筋を見よ!
『愛怒流でいず』のキャラクターデザインは、しのづかあつと氏が担当。
筆者のイチオシはお腹。腹筋だ!





この縦に割れた腹筋のライン。あぁ……眼福……。
クリア後に解放される「EXTRA」では作中のCG14枚を鑑賞できる。(表情差分あり)
椿が歌うロックなOP曲
『愛怒流でいず』に収録された椿の歌うアイドルソングは『Make me Make Love』の1曲のみ。
ギターが全面に出たロックなアイドルソングとなっており、椿のイメージにあっている。
システム面の不満は1つだけ
『愛怒流でいず』のシステム面はセーブ/ロードやスキップ、オートモードなど一通りそろっており、問題ない。


唯一不満だったのが、文字の読みににくさ。
執筆時点(2021/6/20)では、コンフィグにテキストサイズの調整はなく、モニターに映してプレイすると少し読みにくい。
スイッチ本体のディスプレイでも、同じように感じた。
qureateの過去作と比較してもテキストサイズはそこまで変わらないのだが……。
PS4版/Steam(PC)版の発売はあるか?
発売メーカーqureateの過去タイトル(『異世界酒場のセクステット』等)と同様、Switch版から約2ヶ月遅れでSteam版も発売された。



恒例の大人向けパッチは公式サイトで配布されている。
いつもどおりPS4でリリースは望み薄だろう。
総合評価





総評:イマイチ
1.5/5
『愛怒流でいず』(アイドルデイズ)はプロデューサーとアイドルの恋愛を描いたアドベンチャーゲームだ。
シナリオはかなり駆け足で大味。主人公の安直な引用がうっとおしく、なし崩し的に同居状態を続けるなど、倫理観がゆるい描写に違和感がある。
キャラデザのかわいさが救いだ。
本作で禁断の関係を描こうとしたことは評価するが、おすすめはできない。
- かわいいキャラクターデザイン
- うっとおしい主人公
- 業界ルール的にNGな二人の関係



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