『風雨来記4』 はプレイヤーが旅ライターの目線から岐阜を旅し、取材するゲームだ。
思うがままにバイクを走らせ、有名・無名に関わらず多くのスポットを訪れ、写真を取り、記事を上げる。
行き当たりばったりのツーリング旅気分が味わい深い。
この記事では6つのポイントを上げながら、 『風雨来記4』 をレビューしていく。
ジャンル | 旅アドベンチャー |
発売元 | 日本一ソフトウェア (公式サイト) |
プラットフォーム | Nintendo Switch PlayStation 4 |
発売日 | Switch:2021年7月8日 PS4:2021年7月8日 |
プレイ時間 | 24時間 (全ルートクリアまで) |
- のんびり旅気分を味わいたい人
- かわいい女の子と旅がしたい人
岐阜県内を隅々まで旅するアドベンチャー
『風雨来記4』は旅雑誌「ぐるり」に所属するライター(主人公)が、岐阜新聞の主催する「のひコン」に参加し、岐阜県の魅力を伝えるべく、バイクで旅するアドベンチャーだ。
岐阜に関することならなんでもありのコンペ。主人公が参加するWEB部門は自誌を含めて20社。
バイクで岐阜県内を移動し、気になるスポットがあれば立ち寄って取材を行う。
1日に移動できる距離は画面右のスタミナメーターで表示される。
観光スポットでは写真撮影や取材を通して、魅力を発見する。
取材を終えたらキャンプに戻り、記事内容と掲載写真を決めてWEBにアップすれば1日の仕事は完了だ。
月曜日から土曜日までを4週繰り返して、「のひコン」での上位入賞をめざす。
観光名所から誰も知らないマイナースポットまで
『風雨来記4』の取材スポットは、関ヶ原跡地・下呂温泉のような観光名所から誰も知らないようなマイナースポットまで幅広い。
何度も足を運ぶと新たな発見がある場所もある。
岐阜新聞社が情報提供しているだけあって、情報が細かい……
印象に残ったスポットをいくつか紹介したい。
あまりの悲惨さに言葉を失う「土砂災害現場」
見栄えの良い観光名所だけを紹介するのではなく、災害や社会問題にも触れているところが強く印象に残った。
知る人ぞ知る!?マイナースポット「潮見小学校展望台」
望遠鏡がポツーンと1つあるだけ。三角コーンが味わい深い。
岐阜駅近くのシャッター商店街はものがなしい雰囲気だ。
筆者は大いに興味を引かれ、Googleストリートビューでさらなる探索を楽しんだ。
もはやゲームと関係ないわね。
観光ガイドに載っているスポットだけじゃないところが旅気分を盛り上げてくれるよ!
ツーリング風景は最高
『風雨来記4』での移動手段はバイクだ。
移動中はライダーの視点で風景を楽しめる。
ボケーッと画面をながめているだけでリラックスできる。仕事の後のリラックスタイムになにか飲みながら流すと最高だ。
のんびり地方を走りたい、風景を楽しみたい人にはハマるだろう。
移動は画面に表示される標識を見て進むも良し、こまめにマップを確認しても良し。ナビをつけたり、ファストトラベルも使用可能だ。
マップ上では表示されていないスポットでも、近くを通ると発見できることもあり、思いつきでふらっと立ち寄る旅の醍醐味が味わえる。
ただし、10秒程度の運転映像ですぐ次に切り替わってしまうのが残念だ。もっと長く楽しみたかった。
銀行とかコンビニの大きい駐車場を見ると、地元を思い出して興奮する!
なかにはすれ違うのも大変そうな狭い道もある。
ヒロインルートでの「のめり込み過ぎ」は残念
『風雨来記4』 には3人のヒロインが登場する。
柚原 日陽 (ゆはら ひよ)
明るく姉御感のあるOL。
休職期間を利用し、バイクで岐阜を観光している。
主人公とは岐阜に向かう途中のサービスエリアで出会う。
横顔も美人!
鵜瀬 垂 (うのせ しづる)
内気な大学院生。
専門は郷土史・風俗史で、得意な話題では饒舌になる。
主人公が情報収集のために訪れた図書館で出会う。
すぐふくれっ面になるところが良いよー
母里 ちあり (もり ちあり)
仕事を辞めて帰省する途中に主人公と出会った。元気で気さくな女の子。
主人公をからかうようなところがある。
一瞬本気なの?と思わせる仕草にドキッとしちゃう
ヒロインと出会うには特定期間中に特定のスポットを訪れなければならない。筆者がプレイした最初の数回では一度も、ちありに遭遇できなかった。(日陽、垂との初対面は強制イベント)
ヒロインと何度も遭遇すると固有ルートに入り、2人で各地を訪れるようになるが、闇雲にプレイしているとルート到達が難しい。筆者も何度か攻略サイトを参考にした。
仕事はどうした!?
ヒロインそれぞれに個性があり、主人公と旅をする中で抱えている問題が解決されるシナリオは悪くない。
しかし、固有ルートに入ると主人公の頭はヒロインのことでいっぱいになる。
北海道を旅した「あの人」にあこがれ、各地の魅力を伝えたいと理想に燃えていた主人公はどこかにいってしまった。
ヒロインルートは仕事そっちのけ。社会人として疑問を感じた。
1つのゲームの中に(仕事としての)旅ゲーとギャルゲーをいっしょにしてしまったために、テーマがぶれてしまった感は否めない。
一人旅のルートの方が、ダムに沈む村をテーマに掘り下げたりして、硬派でおもしろかった。
カメラの画質の差が激しい
『風雨来記4』 に登場する観光スポットを散策すると説明と共に多くの写真が見られる。
写真はどれも美しく、旅情を豊かに感じられるものばかりだ。
それに比べて360度カメラの画質は荒い。(PCで見比べると違いは明らかだ)
折々に挿入される写真はクリアなのに、いざ探索画面になると風景がややボケているため、残念な感じがした。
BGMはミュートしてエンジン音を楽しむのがおすすめ
『風雨来記4』のBGMはいまいちだ。単調な音楽では旅の気分が盛り上がらない。
筆者はあえてBGMを切ってエンジン音だけでプレイし、臨場感を楽しんだ。
速度によって変化するエンジン音と流れる街並みや山々はツーリング感があって良かった。
ただ、BGMを切ると会話中やオープニング映像まで音楽が無くなってしまうことに注意が必要だ。
総合評価
総評:良い
3.5/5
『風雨来記4』はリアルな旅を満喫できるアドベンチャーゲームだ。
岐阜のメジャーからマイナーまで数多くのスポットをバイクで巡る旅は臨場感がある。
目的地を決めずにふらっと旅に出て、今まで知らなかった場所に出会う体験は「気まま旅」そのままだ。
旅先で出会うヒロインたちは個性的でかわいく、たまたま一緒になって取材するのもまた楽しい。
一方で仕事としてコンペに参加していながら、ヒロインにどっぷりで取材が疎かに感じる各ヒロインルート、取ってつけたようなトゥルーエンドには納得がいかなかった。
『 風雨来記4 』は家にいながらにして旅を味わいたいプレイヤーにおすすめしたいタイトルだ。
- マイナースポットまで網羅された岐阜巡り
- のどかな景色が流れる癒やされツーリング
- 仕事の優先度が下がるヒロインルート
- ご都合主義のトゥルーエンド
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