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『Blackberry Honey(ブラックベリーハニー)』レビュー|アメとムチが作り出す糖度高めのメイドさん百合ゲー【評価・感想】

6 min
『Blackberry Honey』レビュー
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Blackberry Honey(ブラックベリーハニー)』は海外百合ゲーの雄・ebi-himeが開発した百合ビジュアルノベルだ。

本作はebi-hime制作の作品では貴重な日本語ローカライズされた作品であり、クオリティも申し分ない。

ヴィクトリア朝のイングランドを舞台に、メイド同士のスイートな関係を描いた百合だ。前半では下級メイドが散々にいびられ、つらい思いをするが、だからこそ後半の百合展開がとびきり甘く感じられる。

この記事では7つのポイントを上げながら『Blackberry Honey』をレビューしていく。

ジャンル百合ビジュアルノベル
発売元ebi-hime
ラタライカゲームス(CS版)
開発元ebi-hime
プラットフォーム
(ストアリンク)
Nintendo Switch
PlayStation 4
Xbox One
PC(Steam)
日本語対応
発売日Switch:2022年2月11日
PS:2022年2月11日
Xbox:2022年2月11日
Steam:2017年10月25日
価格Switch:1,320円(税込)
PS:1,320円(税込)
Xbox:1,200円(税込)
Steam:1,320円(税込)
プレイ時間5時間
※2022年2月15日時点
こんな人におすすめ
  • 大人の女性に骨抜きにされたい人
  • ヴィクトリア朝時代の雰囲気を好む人

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一部ネタバレの可能性がある。

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あらすじ(ストーリー)

19世紀半ばのイングランド。前のお屋敷を追い出されたロリーナは新たな勤め先・ブライにやってきた。

『Blackberry Honey』レビュー01

山のように降ってくる仕事、癇癪持ちのお嬢様、先輩メイドたちからのイビリ。ロリーナは過酷な生活がこれからもずっと続くことを思い、憂鬱に沈んでいた。

そんなロリーナに手を差し伸べてくれたのは上級メイドのタオファだ。最初は表情が読めないタオファに対し苦手意識を持っていたロリーナだったが……。

『Blackberry Honey』レビュー02
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登場人物紹介

ロリーナ

『Blackberry Honey』ロリーナ
ロリーナ

リバプール出身のハウスメイド。

父とは死別。地元に母と3人の妹を残しており、仕送りをするため、メイドになった。

以前仕えたお屋敷で雇い主とトラブルがあり、追い出されたことが心の傷になっている。

ハウスメイド:家中の仕事をこなす、一般的なメイド

タオファ

『Blackberry Honey』タオファ
タオファ

ブライに長年仕えているパーラーメイド。

東洋を思わせる容姿だが、素性は謎に包まれている。

個室をあてがわれ、上級メイドとして、他のメイドとは一線を画した待遇にある。

パーラーメイド:給仕と来客対応専門のメイド

コンスタンス

『Blackberry Honey』コンスタンス
コンスタンス

レナード家のお嬢様。12歳。

母から溺愛され、甘やかされている。

メイドや家庭教師など、周囲の人たちすべてに辛く当たるため、皆に嫌われている。

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「アメとムチ」が最大限の効果を発揮するシナリオ

『Blackberry Honey』では、とにかくあらゆる手段を使っていびられる

お嬢様はわがまま放題。暴言は吐く、皿は投げる。「認められた」と喜ばせておいてから後で貶め、精神的にダメージを負わせる。

プレイヤーがはじめて見せられるロリーナとコンスタンス嬢のやり取りでは、ロリーナは庭のバラを摘むように命じられる。ロリーナが素手でバラに触れ、トゲが刺さりながらも痛みに耐えてバラを摘もうとするところ、背後から罵られる。

子どものイタズラどころではない厭らしさを感じた。

『Blackberry Honey』レビュー06
メイドを”間抜け”と罵るコンスタンス

先輩ハウスメイドのポーリンとイソベルも何かにつけてイビってくる。

仕事は押しつけるし、問題が起これば、みんなロリーナのせい。

ロリーナの過去を持ち出して、暴言を吐いたりなじったり。イングランド流の遠回しな言い方をするのがいかにも嫌味ったらしい。

『Blackberry Honey』レビュー07
“被害妄想狂”なんて人に言う言葉じゃない……

ポーリンの腰巾着、イソベルもたちが悪い。

ジャイアンに便乗するスネ夫のような立ち位置で、ポーリンに合いの手を入れるように嫌味を言ったり、けしかけたり……。ポーリンのイビリを増幅させる役割を演じている。

『Blackberry Honey』レビュー08
イソベルの合いの手でダメージが増幅
えむ

えむ

胸クソ耐性のある私でもダメージを受けた……

ハウスメイドは他にも3人いる。

スイスからやってきたリーゼロッテは英語がつたなく、ポーリンの遠回しな嫌味が通じない。

エフィは無口。エイダは身体が弱く、気も弱い。ロリーナを心配し、慰めてくれはするが、助けてはくれない。

登場人物が多く、それぞれにちょっとした個性を感じるエピソードが盛り込まれ、奥行きあるストーリーを楽しめる

『Blackberry Honey』レビュー09
エイダはやさしいが頼りにはならない

街中で出会う姉妹・セオドラとエミリーは、ロリーナとタオファの恋の行く末を左右する重要なキーパーソンだ。

『Blackberry Honey』セオドラ&エミリー
姉セオドラ(左)と妹エミリー(右)

5人のメイドや姉妹も含めて、周囲に様々なキャラクターを配置することで、ロリーナの苦悩は複雑なものになっていく。

イビられた後は、いつも、タオファが助けてくれる

ロリーナは初め、表情が読めないことから、タオファを冷酷で悪意のあるメイドだと思いこんでおり、助けてもらっても大きなお世話だと跳ね除けようとする。

手にバラのトゲが刺さり、血を流しているのを見て、すぐ手当てしてくれたタオファを睨みつけ「あなたのことなんて全然好きじゃない」「助けて悦に入りたかっただけ」と言ってしまう。

『Blackberry Honey』レビュー10
トゲを抜こうとするタオファ

タオファはそこまでヒドいことを言われても怒らずに悲しみを伝えただけで、またロリーナが困っているところに出くわしたら手を貸してくれる。

ロリーナに比べて、タオファは精神的にも成熟した大人の女性で、屋敷で安定した地位を築いている。怒りを向けられても、ロリーナが心優しく素直な心を持つ女の子だと見抜いている。

えむ

えむ

タオファの前では素直な感情が出せるのよ

黒いジョヴァンナ

黒いジョヴァンナ

フン、甘えてるわね!


ロリーナは日々を過ごすうちにタオファの優しさを理解していく。将来になんの希望もないロリーナにとって、自然体で過ごせるタオファとの時間は何にも代えがたいものだ

イビられて心が疲れたとき、砂漠が水を吸い込むようにタオファの優しさが染み込んでくる……。

『Blackberry Honey』レビュー11
タオファはキザなセリフもスラッと言える

「アメとムチ」の効果がクセになり、プレイヤーはいつの間にか自らをロリーナに重ね合わせ、タオファとの時間を心待ちにするようになる。

エピソードが小出しにされるロリーナと違って、タオファの素性は謎のままストーリーが進行する。

そして、終盤、一気にタオファの生い立ちが明かされる。彼女の苦悩や大切にしているもののエピソードが語られるとき、初めて人間味が感じられ、愛おしく思った。

『Blackberry Honey』レビュー14
幼少期のタオファ
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名脇役・コンスタンスお嬢様

『Blackberry Honey』で忘れられないキャラクターはコンスタンス嬢だ。

『Blackberry Honey』レビュー12
物憂げにピアノを奏でるコンスタンス

家庭に無関心な父と、甘やかすばかりの母によって作り上げられた性格は最低最悪だ。仕える使用人全員から嫌われている。

そんなコンスタンスにも、弱みを見せるシーンがある。その素顔はたった12歳の純真な少女であり、正しく導いてくれる存在がいなかったために性格がねじまがってしまった

コンスタンスは、他のメイドと違って自分への嫌悪感をあらわにするロリーナを気に入っている節もある。

周囲の人間はイエスマンばかりでつまらない。お互いに本心をさらけ出せる相手さえいれば、きっと素直でかわいい女の子になっていただろう。

『Blackberry Honey』レビュー13
コンスタンスの本音が垣間見える

素のコンスタンスを引き出すのはロリーナしかいないのに、残念ながらコンスタンス嬢の攻略ルートは存在しない。最強のツンデレシナリオが読みたかった……。

えむ

えむ

まれに見せる素のコンスタンスは結構かわいいのに!

黒いジョヴァンナ

黒いジョヴァンナ

多少のギャップ萌え要素もあり

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翻訳の文体にはひとクセあるが、すぐ慣れる

『Blackberry Honey』のテキストには多少、難がある。

セリフは良いのだが、地の文には回りくどい表現が多い。英語を直訳した感じの角張った文章なのだ。

『Blackberry Honey』レビュー20

パーラーメイドがすでにキッチンにいたことにロリーナは敷居を越えてすぐに気づきましたが、彼女らの目が合ってしまったので、向きを変えて去るには遅すぎました。

『Blackberry Honey』苦痛の種より

慣れないうちはなかなかテンポよく読み進められなかったが、大体1時間程度で慣れて、スムーズに読めるようになった。

筆者と同様に文体に引っかかりを感じた人も、少し辛抱して読み進めてみてほしい。

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特徴を反映したCG、品のある音楽は良い

『Blackberry Honey』のイラストはかわいらしい。

弱気なロリーナ、凛とした大人の女性タオファ、憂鬱を秘めた少女・コンスタンスなど、キャラクターそれぞれの個性が反映されている。

『Blackberry Honey』レビュー15
動揺するロリーナとイタズラっぽい笑みのタオファ

BGMは舞台設定を生かし、ストリングスの映える曲が多い。どれも雰囲気にマッチしており、収録曲数も20曲と豊富で飽きない。

『Blackberry Honey』レビュー16
音楽鑑賞画面(エクストラモード)

システム面には若干の不満点も

『Blackberry Honey』のシステム面には少し不満が残った。

ボイスはなし。サウンド関係は問題ない。

『Blackberry Honey』レビュー17
オプション画面

バックログ画面が用意されていないのが気になった。

テキストを戻って読むことはできるが、ウィンドウ画面のなかで戻るだけであり、ノベルゲームによくある画面いっぱいにバックログを表示して一気に読むことができない。

セーブ・ロードあり
スロット数:42(PC)
スロット数:18(Switch)
クイック
セーブ・ロード
なし
オートモードあり
スキップあり
BGM・音声
ボリューム
なし
バックログなし

Switch版はセーブスロットが少なく感じるかもしれないが、クリア後にはかなり細分化されたチャプター選択が可能になるため、不満は感じなかった。

『Blackberry Honey』レビュー18
チャプター選択画面(エクストラモード)

クリアまでのプレイ時間は5時間

筆者のプレイ時間は5時間。

選択肢なしの一本道のため、CG回収のために周回プレイする必要はない。

エクストラモードには以下が収録されており、クリア後に閲覧可能になる。

  • ギャラリー(CG15枚+OPムービー1)
  • BGM鑑賞(20曲)
  • メモリー(チャプター選択:56)
  • ノート(作者あとがき)

Switch版のエクストラモードでは画面をスクロールする際にスクロールバーまでカーソルを移動させる必要がある。右スティックでスクロールできないのがやや不便だ。

カーソルも黒枠に黒線が重なるため、どれを選んでいるか分かりにくいが、タッチ操作であればそこまで不自由には感じないだろう。

PC版とSwitch版の違いを比較

『Blackberry Honey』のPC版とSwitch版には違いがある。

  • 軽微なローカライズ差

大きく変わっていないが、文の改行など若干の修正が加えられている。

『Blackberry Honey』レビュー19-pc
文がつながっている(PC版)
『Blackberry Honey』レビュー19-Switch
適度に改行されて読みやすい(Switch版)
  • イラストCGの違い

通常のイラストCGは変わらないが、PC版の方が肌色の分量が多い。

  • あとがきの部分的な削除(Switch版)

Switch版移植に当たり、削除された部分についてのあとがきや百合ゲー『その花びらにくちづけを』からインスパイアされた旨の記載は削除されている。

えむ

えむ

どちらでもプレイ可能なら、PC版でのプレイがおすすめ

総合評価

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総評:良い

『Blackberry Honey』はロマンチックな百合ビジュアルノベルだ。

ヴィクトリア朝のイングランドを舞台にメイド2人の恋愛を描き、主人公・ロリーナの過酷な生活とタオファとの甘い時間を対比させ、ロマンスを際立たせた。

人物造形も申し分なく、プレイヤーは自らとロリーナを重ね合わせてタオファに魅了されてしまう。終盤で一気に明かされるタオファの生い立ちを聞くとなおさら、彼女に愛着を感じる。

角張った文体やシステムに不足も感じられるが、それを補って余りあるほどの甘さを楽しめる百合ゲーだ。気になったら今すぐプレイすることをおすすめする。

グッドポイント
  • 甘さの際立つシナリオ構成
  • 深みのある人物造形
  • 充実したエクストラモード
ウィークポイント
  • バックログ機能がない
  • 角張った文体
レビュー時のプレイ機種

Nintendo Switch / PC(Steam)
※スクリーンショットは主にNintendo Switch版

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えむ

えむ

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